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溢れ出す温かいお湯 縁を繋ぐ恋の橋

「五つの橋 温かく溢れ出す僕の想い出」(その3)


 渡月橋であの娘に会ってから、街で、独鈷の湯で いろんなところであの娘と目が合う。
あの娘は大きく手を振ってくれるけど
僕はぺこっと小さく会釈するので精一杯

 そんなある日・・・いつものように修禅寺にお参りして帰ろうとすると
山門の下であの娘が立っていた。
会釈して通り過ぎようとすると
「ね ほたる ほたる見に行かない?」
「知ってる?とっておきの場所があるんだよ」
「行こうよ ねっ」
僕が答えられずにいると
「ねっ今晩 滝下橋に集合!! ねっ」
と言いいながら いつものように軽やかに虎渓橋を渡っていった。

 えっ なんで?なんで?・・・からかわれているのか?
そうだよな そうに決まってる。
考えても考えても訳が分からない・・・のに
夜が深くなるにつれて、気持ちが落ち着かずに
気が付いた時には滝下橋の袂に立っていた。

 たったったっ と聞き覚えのあるリズムが聞こえる
音の方へ目を向けると
あの娘が僕の方へ駆け寄ってくる。
「こめんね 待たせちゃって」
「さあ さあ 行こう!! こっちこっち」
と僕の着物の袖を引っ張る
「赤蛙公園にね すごいんだよ~ ほたる びっくりするよ」
と歩きながら言うあの娘の後を付いていくと
真っ暗な中に ぽっぽっぽっ と 丸く黄色く光る蛍が
光っては消え 光っては消え いくつもいくつも舞っている

 幻想的な光景の前に二人とも声を失っていた。
けれども 退屈な静寂ではない。
心地よい この景色とこの静寂がとても心地よく 安らぐ・・・
時間(とき)が止まったらいいのに
僕はそう思っていた。


つづく

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溢れ出す温かいお湯 縁を繋ぐ恋の橋

「五つの橋 温かく溢れ出す僕の想い出」(その2)

 背筋がピンとして、とても綺麗なあの娘を初めて見たのはいつだったろう・・・
お金持ちの家の娘だろうな~
僕のような貧乏人には、高嶺の花だ。
あこがれの彼女を眺める。それだけで満足だった。

 ある日の事、渡月橋のうえで大きい荷物を載せた荷車を押している
老女がいた。
見ると、車輪が石に挟まって動かないようだ。
僕は「おばちゃん 僕が後ろから押すから 息を合わせて 行くよ」
「せ~の」
「もう一回 せ~の」「せ~の」
ん?声が重なった?
ガタン と大きく車輪が回り 荷車がゴトゴトと動き出した。
おばちゃんは小さな体を更に小さくし
「ありがとね あんたたちのおかげで助かったよ よかったらこれ
二人で食べな」
と蒸したサツマイモを僕の手ともう一つ白くて小さな手に渡した。
もう一つの手の持ち主が
「は~あったかい おなかペコペコだったんだよね~」
ふふふ と鈴のような声で言う。
「貴方って優しいのね。いつも独鈷の湯でお父様のお背中流してるで
しょ」
「すごい偉いな~って思ってたんだよ」
「ね 冷めちゃうから食べよ」
あこがれのあの娘が目の前にいる。
僕は心臓が壊れるんじゃないかと思うくらい 鼓動が早まった。
「ね 食べよ」
とあの娘は橋の欄干に寄りかかる。
僕もその隣に寄りかかり 無言でサツマイモをほうばった。

つづく

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独鈷の湯から見た渡月橋


溢れ出す温かいお湯 縁を繋ぐ恋の橋

「五つの橋 温かく溢れ出す僕の想い出」
 
 その昔 川で病気の父の身体を洗っている少年を見て、川の水じゃあ
冷たかろうと持っていた仏具で川を砕き、温泉を湧出させた弘法大師様のお話は
修善寺温泉の発祥として知られている。

 これは その時助けられた少年の恋の物語・・・


 ちゃり~ん♪チン♪ドン ちゃり~ん♪チン♪ドン 
今年もやってきたお弘法さん
たしか 温泉の感謝祭だって、ひいおじいちゃんが言ってたな。
僕のず~っとず~っと昔のおじいさんの・・・

~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 独鈷の湯で父の身体を温かいお湯で洗っているとき、
いつも決まった時間にその音はする
たっ たっ たっ
心がドキッと跳ねる。
僕の目は自然とその音のする虎渓橋のほうを向く。
そこには軽やかに走って修禅寺へ向かうあの娘
透き通るように白い肌と まっすぐ伸びた黒い髪に
目がくぎづけになる。
 父が
「はっくしょん」
と大きなくしゃみをした。
「ごめんなさい」
と僕はあわてて父の背中に目を戻し、再びお湯をかける。

 ついこの前までは、冷たい川水で父の背中を洗っていた。
この季節は、まだましだけど 冬なんてたまったもんじゃなかった。
自分の手もかじかんだけど、父も冷たかったと思う。
でもそんなある日、僕の前に救世主が現れたんだ。
その人が不思議な棒で川底を砕くと、温かいお湯が湧き出たんだ。
そのおかげで、今は本当に楽になった父の介護、
そして・・・あの娘に出会うことができたんだ。
だから、僕は毎日修禅寺にお参りしている。
たくさんのありがとうの気持ちを込めて・・・        つづく

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修善寺 頼家祭り

修善寺温泉で暗殺された、鎌倉二代将軍
『源頼家』とその家臣『十三士』の霊を慰める
イベントです。

◆日 時:平成27年7月20日(月曜日 海の日)

◆場 所:修禅寺→十三士の墓→源頼家の墓→
       桂遊通り→桂橋→修禅寺

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源頼家は正治元年(1199年)に父 頼朝の亡き後
家督を継ぎ鎌倉二代将軍となったが北条氏の策略により
わずか5年で軍職を奪われ修禅寺に幽閉されました。

翌年の元久元年(1204年)7月18日に鎌倉からの刺客の
為、23歳の若さで一生を終える事となります。

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『頼家公』とその妻『若狭の局』。息子の『一幡』が
頼家公の家臣『十三士』とともに温泉街で仮装行列と
墓前供養を行います。

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修禅寺のご住職を先頭に職方の皆さん、護寺会の皆さんなど
たくさんの方が行列に参加します。

一般のお客様もご焼香いただけますので
どうぞお手をお合わせ下さい。

又、若狭の局役は頼家公の霊を慰めるべく、比企一族ゆかりの
埼玉県東松山より特別参加していただきます。

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この時期、ちょうど修禅寺の境内にある蓮の花が
見事に開く事でしょう。

『修善寺桂流コシヒカリ』いよいよ田植え

今年も特別栽培米『修善寺桂流コシヒカリ』
安心で安全なお米をご提供するために田植えが
始まりました。

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大切に育てた桂流コシヒカリの苗

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ハウス一面若草色に染まった苗がいよいよ
広々とした田んぼに引っ越しです。

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この日は、お宿の旦那さんたちも田植えのお手伝い・・・。
苗床を丁寧に田植え機に移します。

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青空の下、爽やかな風に包まれて今日は田植え日和!!

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♪ケロケロ♪とカエルの応援もきこえてきましたヨ!

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この水田一面が新緑に染まり秋には黄金に色づきます。

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農家の皆さん、旦那さんお疲れ様でした。
秋の稲刈りが今から楽しみです。

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